虫歯治療の後にしみているのが治るメカニズム
こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日の久喜は爽やかな秋晴れで気温が24度まで上がるようです。
24度だと少し動くと汗ばむ感じですね(^O^)
今回の歯の話は虫歯治療を終えた後の歯の痛みについてです。よく患者さんからこんな質問を受けることがあります。
虫歯の治療をした後にしみるようになったとか虫歯治療前は痛くなかったのに終わってから痛くなったけどどうして?
このような経験ある方が結構いらっしゃるのではないでしょうか?何故痛むのかについてご説明します。
虫歯が表面のエナメル質ではなく、内側で神経の通っている象牙質まで及んでいる場合
(これを歯科的にはC2と言います)この虫歯を全部削りとる時に歯の神経に色々刺激が加わります。
そうなると神経は興奮して敏感(過敏)になり、プラスチックなり金属をつめた後に
しみる、かむと違和感がある、かむと痛いなどの症状が出ることがあります。
これは神経に近いところまで虫歯が及んでいる時ほど起きやすくなります。
また歯と同じ色のレジン(白いプラスチック)自体も神経を過敏にします。
どういうことかというと元々レジンは固まっておらず、青い光を当てることで重合して固まる物質です。
レジンは固まる時に重合収縮を起こし、これが神経を刺激するからです。
また金属を歯に詰める場合、金属という物質は学生時代に勉強するように
冷温など熱の伝導性が非常に良いです。この熱の伝導により神経が過敏になり
痛みが出ることがあります。よくあるパターンとしては銀歯が出来るまで仮の詰め物をします。
この時、仮の詰め物はプラスチックで通常行うので神経に対しての刺激は少ないです。
しかし、銀歯が入ると急に熱の伝導性が良くなるので仮のプラスチックの詰め物の時は痛くなかったのに、
銀歯を入れたら痛むという事態がおうおうにして起こるわけです。
自分は虫歯治療を行い、虫歯がある程度深い方に対しては
麻酔が切れた(ある程度深い虫歯は麻酔なしでは治療出来ません)後に
しみたり、噛んだ時に痛んだり、何かしらの違和感などの症状が出る可能性があります。
なので神経を過敏にしないようにその歯で噛むことを控え、
冷たい水やお湯をその歯にあてないように気をつけてその歯を安静にして下さいと
お伝えするようにしております。その次にいらした時に前回治療した部位の調子はいかがでしたか?
と伺うと10人中2~3人くらいの方が最初しみたり、違和感があったけど今はおさまりました
とおっしゃいます。最初違和感があっても改善傾向にあればまず問題なしです!!
どういうメカニズムでこのように症状が改善するかというと神経のある歯には血液が供給されており、栄養分が運ばれてきます。
そして歯髄(歯科医が神経と呼ぶ部位)を守る為に第二象牙質という防御壁のようなものが新たに作られるのです。
第二象牙質が出来上がると刺激は神経に直接伝わらなくなり、しみなくなります。
しみなくなるまでの期間は、歯の状態や人により違います。1~2週間から1年ぐらいまで様々です。
なるべく神経を刺激しないように特別冷たいものや熱いものに気をつけていれば、そのうち自然にしみなくなります。
生体の防御機能は本当に優れております。是非落ち着いて様子をみてください。
場合によっては逆に2~3週間たっても痛みが治らない、もっと痛んできたと訴える方もおります。
これは歯を削った刺激や詰めた金属やプラスチックの刺激で歯の神経が
耐え切れなくなり、神経が膿みかけている場合です。このような場合過敏になった神経を鎮静化するために
まずは金属やプラスチックを外して、神経が興奮しているのを鎮静化するセメントで埋めて様子をみるように
しております。それでもやはり痛む場合、やむおえず神経の治療を行うこともあります。
神経の耐久性には個人差がありますのでこれについては一様にこうなりますとは残念ながら言い切れません。
虫歯治療後の歯の痛みに関して気になることがありましたら、遠慮なくご相談下さい!
親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科までお越し下さい。
久喜市 歯医者 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき