歯周病の基本治療とメンテナンスについて
こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日の久喜は今のところいい天気です。一日安定した天気になるといいですね(^O^)
今回は歯周病の治療の中で最重要の基本治療とメンテナンスについて書きます。
1.歯周病で最重要な基本治療
1-1.歯周病治療の90%はプラークコントロール
プラークコントロールとは歯ブラシやデンタルフロスなどを使ってプラーク(歯垢)を付けないようにコントロールすることです。
プラークコントロールを完璧に行うことができれば治療の大半は終了です。
なぜなら歯周病の原因であるプラークは毎日お口の中に発生し、それを毎日取り続けなくては歯周病は改善しないのです。
毎日歯医者にいらしていただくわけにもいかないので、ご自身で口の中の汚れをきっちり取ることが治療がうまくいくのか
いかないのか、良い状態が継続するのか、再度悪化するのかに密接に関わります。
いくら高価な治療や痛い治療をしても毎日のプラークコントロールができなければ全て無になってしまいます。
1-2.スケーリングをして歯石ごと細菌を退治
スケーリングとは歯の周りについた歯石を取り除くことです。歯石はプラークと唾液によって作られ、
ザラザラとし軽石のように小さな穴が空ていて、細菌が繁殖しています。
歯石の中の細菌は歯磨きなどでは取れないので、歯石ごと細菌を取る必要があります。歯石は主に超音波の振動を与えて砕いて取ります。
1-3.歯茎の中の歯石を取るディープスケーリング
ディープスケーリングとは歯茎の中にできた歯石を取ることです。この歯石は血液を含み歯茎の中で黒く硬く歯にこびり付いています。
超音波の振動や歯石を取る細い器具を使って取って行きます。この時、歯茎が腫れていたり、出血があると取り残しが増えるため、
出血が無い歯茎の状態にしてから、歯石を取る必要があります。
歯周病ポケットの深さは4mmまではこのディープスケーリングで対応します。
2.中程度~重度の方には歯周外科治療
2-1.歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ・フラップ手術)
5mm以上の歯周ポケットがある場合には、奥まで歯石がついてしまい歯茎の入り口から歯石を取ることが不可能です。
全ての歯石を取るために、麻酔をし歯茎に切開を入れて、歯茎を開いて歯石が見える状態にして取り除いていく方法が歯肉剥離掻爬術です。歯の根は複雑な形をしており歯石を取り残さないために行います。
また、同時に歯茎の中の骨の形を整えることによって歯周ポケットを浅くする方法も行います。
2-2.歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は歯の周りの骨が極端に減っている場所にはフラップ手術と同時に、溶けてしまった骨を再生させることです。
骨を再生させることによって深い歯周ポケットがなくなり、プラークが溜まりにくくします。
再生療法は骨が減ってしまった部分に人工の骨やエムドゲイン(特殊なたんぱく質)を入れ、骨を再生させます。
3.歯周病の進行を止めるメンテナンス
メンテナンスとは歯周病の治療が終了した後に、健康な状態を維持していくための定期的な治療のことです。
メンテナンスではご自身で行っているプラークコントロールへのアドバイスや落とし切れていない歯周ポケット内を機械的に洗浄します。
メンテナンスを行わないとせっかく行った歯石除去や、痛い思いをして行った外科処置も、徐々に元に戻ってしまいます。
毎日のプラークコントロールと、定期的なメンテナンスを行わなければ歯周病を改善することは出来ないのです。
自分の状態にあったメンテナンスの間隔で行ってください。
3-1.メンテナンスの間隔
毎月行ったほうがいい方
重度の歯周病で5mm以上の歯周ポケットが残っている方
治療で歯周外科まで行った方
糖尿病や骨粗鬆症などお体の状態で歯周病に影響のある方
お薬の影響で歯茎の盛り上がりが強い方
ご自身でのプラークコントロールが苦手でお口の中に細菌が残りやすい方
3~4か月の間隔
歯周ポケットが3~4mmでのご自身のプラークコントロールが上手な方
親知らずが残っていて部分的に歯周病のリスクが高い方
それ以上の間隔
歯周ポケットが1~2mmでご自身のプラークコントロールが上手な方
4.歯周病と似ている症状
4-1.歯ぎしりで歯がしみる
歯ぎしりによって歯の根元に応力がかかり歯が削れてくることがあります。しみることが多く歯周病の症状と同じことが多いのです。
負担を軽減させるためにマウスピースで保護します。
詳しくは「歯ぎしりによって起こる怖い出来事/マウスピースがあなたの歯を守ってくれる」を参考にしてください。
4-2.歯が割れて歯茎が腫れて痛い
歯が割れると亀裂の部分から細菌が入り歯茎が腫れます。部分的な割れであればセメントで接着することも可能ですが,
大きく割れてしまうと抜歯をしなくてはいけません。特に神経が無い歯はもろく割れる可能性が高くなります。
4-3.神経が死んで歯茎が腫れて痛い
神経が死んでしまうと根の先に膿がたまり、腫れて痛むことがあります。根の中の治療をして歯を残すようにします。
まとめ
歯周病は成人の80%が罹っている日本人の国民病です。歯茎からの危険信号を見逃さず、きちんと病気をコントロールしましょう。
うまく歯周病をコントロールできれば一生ご自分の歯で物を噛むことを達成することは間違いなしです(^O^)
親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科までお越し下さい。
久喜市 歯医者 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき