男性よりも女性のほうが歯周病になりやすい?
こんばんは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日から11月です。昨年の11月に起きたことを考えると憂鬱になり、まだ自分の中で
大先生の急逝が整理できていないことを感じます。きっと一生この時期が来ると辛い気持ちになりそうです(ー_ー)!!
今回は男性よりも女性の方が歯周病になりやすいという話を書いてみます。
今や、成人の85%がかかっていると言われる歯周病。
その中でも、男性に比べて女性のほうが歯周病になりやすいという事実をご存知でしょうか?
女性は唾液が少ない傾向にあり、ドライマウスの人も多いと言われます。
実際うちの患者さんでも高齢の女性の方で口の中が乾いて、舌が痛い、粘膜が痛いとおっしゃる方が
いらっしゃいます。大きい病院で検査してもらっても特に異常は無く、やはり女性の方が
ドライマウスになりやすいというのも非常に実感があります!
そして女性は口の中が酸性に傾きやすく、口内環境が悪化しやすいのです。
また、歯周病は女性ホルモンとも深い関わりがあることが分かっています。
今回は、そんな女性特有の歯のトラブルについてご紹介しましょう。
そもそも、歯周病とは?
歯周病とは、歯周病菌が出す毒素によって、歯を支えている骨が溶けていく病気です。
歯周病菌は痛みを麻痺させる毒素を出すため、ほとんどの人は自覚症状がなく、気付かないうちに病気が進行します。
また、今の時点では完治させる方法はありません。
歯と歯肉を丁寧にブラッシングしたり、歯科医院で歯のクリーニングを2~3ヶ月に1度受けたりして、
予防することが最善策となります。
▼歯周病について詳しく知りたい方はこちら
【驚愕!】骨が溶けて、歯が抜ける…!? 歯科医師が語る、「歯周病」の恐ろしい真実
歯の寿命は、女性のほうが短い
歯の抜けた女性
「子どもを1人産むたびに、歯を1本失う」という話を聞いたことはありますか?
出産経験がない女性に比べて、出産回数が2回、3回、4回と増えるにつれて、
残る歯の本数が減っていくというデータがあります。
それくらい、妊娠・出産が女性の口内環境に与える影響は大きいのです。
(ちなみに、男性は子どもの数が増えても、歯の数はもちろん減りません。)
歯周病菌は、女性ホルモンが栄養源
口内にいる歯周病菌の中には、歯茎と歯の間から少しずつ染み出してくる女性ホルモンを栄養源として繁殖する種類があります。月経の前に歯茎がムズムズしたり、少し腫れてきたりするのも、実は女性ホルモンの分泌の変動が原因です。
ちなみに、女性が特に歯周病にかかりやすい時期は、人生の中で3回あると言われます。
1回目は、初潮を迎える頃。2回目は、妊娠中。3回目は、閉経時です。
ライフステージに応じて変化する女性ホルモンの分泌に連動して、口内の健康状態は悪化しやすくなります。
だからこそ、女性は男性よりも歯周病対策に力を入れなくてはいけません。
妊娠中は、口内の細菌が増加する
妊婦
人生で3回ある歯周病になりやすい時期で、最も危険なのは妊娠中です。
妊娠すると、女性ホルモンのエストロゲンが増加し、歯肉炎の細菌が異常増殖してしまいます。
また、プロゲステロンというホルモンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激し、歯茎が腫れやすくなります。
これらの女性ホルモンは、妊娠後期になると月経時の10~30倍になるそうです。
そのため、普段よりも歯周病になる可能性がぐんと高まります。
さらに、つわりも口内環境が悪くなる一因となります。食欲がなくなって唾液の分泌も減り、
唾液の自浄作用が低下してしまうからです。この時期は、歯磨きなどのケアを普段以上にこまめに行う必要があります。
歯周病は早産のリスクを高める
歯周病は肺炎、心臓病、糖尿病など、様々な全身疾患と密接な関係にありますが、
女性の場合は出産にも影響を及ぼします。
赤ちゃんは、お母さんの羊水の中にあるプロスタラジンが一定になると生まれてきます。
しかし、歯周病になると、プロスタラジンが急増し、早産を引き起こしてしまうことがあるのです。
歯周病にかかっているお母さんは、健康なお母さんと比べて早産や未熟児出産の確率が7倍にもなると言われています。この数字は、たばこやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高いそうです。
更年期に入ると、歯周病がさらに進行
更年期女性
閉経後は、女性ホルモンの分泌が減少し、骨密度が低くなって骨粗しょう症になりやすくなります。
そうすると、歯を支えるアゴの骨も弱くなってしまう可能性があります。
また、ホルモンバランスが崩れ、ストレスや体の不調を感じる人が多いのも、更年期の女性の特徴です。
その影響を受け、そこから歯周病が大きく進行する人も増えます。
ちなみに、更年期障害や骨粗しょう症の治療には女性ホルモンのエストロゲンなどが使われますが、
その副作用で歯肉の健康が損なわれるケースもあるそうです。
おわりに
今回は、歯周病と女性ホルモンの関係についてご紹介しました。
女性に生まれた以上、私たちは自分の体とうまく付き合っていかなければなりません。
歯周病の進行を防ぐには、歯磨きなどの毎日のデンタルケアを丁寧に行うのはもちろん、
不調がなくても定期的に歯科医院に通って口内をチェックしてもらうことが大切になってきます。
「自分の身は自分で守る」ことを意識し、ずっと健康な歯でいたいものですね。
親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科クリニックまでお越し下さい。
久喜市 歯科 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき