歯の役割とインプラントの関係
こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日は私は休みでしたが医院は元気に診療しております(^-^)
さて今回の歯の話ですが、歯の役割とインプラント関連性についてです。読んでみて下さいね(^-^)
あなたは何らかの理由により「奥歯」を抜いたあと、そのままにしてしまうということはありませんか。
あるいはそういった方が身近にいたりはしないでしょうか。
実は「奥歯」を抜いたままにしておくということは、決して良いことではありません。
とはいっても、「奥歯」がどれほど重要なものなのかは一般的にあまり知られていないのが現状です。
患者さんの大半が前歯は見えるからとセラミック(陶器)などの良い素材を選びますが、奥歯は見えないからという理由で
保険の銀歯でお願いしますという方が非常に多いです。また一番奥の歯がなくても噛めるという理由で放置している方も多いです。今回は奥歯を抜いたまま放置するとどういった影響が出てくるのかを詳しくお話ししたいと思います。
歯の役割
奥歯を問わず、すべての歯にはそれぞれ決められた役割があります。そしてどの歯も日常的に全体的な歯のバランスを保っています。そのため歯を失うごとにそのバランスは崩れ、歯を失うとその影響は全身に及びます。
ここでは奥歯をはじめとしたすべての歯の役割についてご紹介します。
■前歯の役割
まず「前歯」の役割についてご紹介します。「前歯」は一般的に糸切り歯と呼ばれる「犬歯」を除いた左右に2本ずつある4本の小さな歯を指します。この歯は食事の際に食べ物を奥歯で噛み砕きやすい大きさに噛み切る役割があります。そのため前歯を失うと食べ物を噛み切ることができなくなり、食べ物が大きいまま奥歯で噛み砕かなくてはいけず、奥歯に大きな負担をかけることになります。
また、「さ行」のような口のなかに空気をためて発音する言語や「た行」のような発音をする際に舌を前歯にあてる言語など、一部の特定の言語の発音が発音しづらくなります。
■犬歯の役割
よく「糸切り歯」や「八重歯」と呼ばれる、歯の中で唯一尖った形をしている独特の歯である「犬歯」。この歯はすべての歯のなかでもっとも歯根が長く、そのために失われるリスクがもっとも低い歯とされています。
また「犬歯」が生えている位置は前歯と小さな2本の奥歯(小臼歯)の間にあります。そのため、この歯は糸を切ったりするためではなく、両サイドにある前歯と小さな奥歯の負担を軽減する役割を持っています。さらに前歯だけでは噛みちぎることが難しい食べ物を小臼歯とともに引き裂く役割もあり、必ずしも特定の役割を持たない独特の歯であるのが「犬歯」です。
■小臼歯の役割
大きな奥歯の手前にある2本の小さな奥歯である「小臼歯」。この歯は奥歯の負担を軽減する役割があると同時に、犬歯と一緒に食事の際に食べ物を引き裂く役割もあります。しかし同時に歯科矯正では便宜上の抜歯が必要となる治療の際に、抜歯の対象となることが多い歯でもあります。そのため抜歯を伴う矯正治療をした患者の多くは「小臼歯」が1本失われていることがあります。そんな「小臼歯」ですが、実は上下の歯の噛み合わせの調整や顎関節の動きを正常化させる役割などといった意外に重要な役割も担っているのです。そのため、小臼歯を1本喪失したあとに正常な噛み合わせを得られていなかったりすると、顎関節やその周辺の筋肉に負担がかかり、痛みが出ることもあります。
■大臼歯の役割
これまで説明したあらゆる歯の最後尾にあるもっとも大きい歯を一般的には「奥歯」と呼びますが、歯科医療の世界では「大臼歯」と呼ばれています。「大臼歯」はすべての歯のなかで一番重要視されている歯とされており、その理由はひとつにとどまりません。食事においては、前歯や小臼歯で噛みちぎった食べ物をさらに細かく噛み砕き、すりつぶしていくことで消化器官への負担を軽減する役割を持っております。また歯を噛み合わせた際に歯や顎にかかる負担をもっとも受け止めている歯でもあり、この歯を失うと残された前歯や小臼歯に大きな負担を強いることにつながっていきます。
もしこの「大臼歯」を失ったままにしておくと、そのほかにもさまざまな影響が出るとされています。
奥歯の喪失が影響すること
奥歯は他の歯と比べ、食事以外でもさまざまな役割を持っているとされています。それは時に全身の運動能力ともつながったり、顔の造形にも深く関わっているとされています。
ではここで、奥歯を失ったままにしておくとどのような影響につながっていくのかをご説明します。
■顔のバランス
顔の形と歯の状態は密接なつながりがあります。表面から見ただけではあまり実感はありませんが、顔のレントゲンを撮ると顔面の下半分は顎により占められています。また顔の筋肉はすべて口の周りに集まっています。よって口を動かすことにより顔の筋肉が大きく動かされることになり、顔の形にも大きく影響していくのです。
もし片方の奥歯を失い、それをそのままにしておくと顔が変形してしまう可能性があります。その理由は、奥歯があるのとないのとでは咀嚼のしやすさが違ってきます。そのため人は無意識のうちに奥歯がしっかり残っている方を頻繁に使うようになり、それにより奥歯がない方の歯は使われなくなります。
そうすると奥歯が残っている方の口角が自然と上向きになり、顔の筋肉が発達して、見た目的に頬がふっくらしてきます。逆に奥歯が失われた方は口角が下向きになり、顔の筋肉が使われないため頬が下に垂れ込みます。
このように顔が変形し、歪んで見えるようになっていってしまいます。
■運動能力や平衡感覚
人は重い物を持ち上げる時に無意識に歯を食いしばります。これは顎が全身の筋肉とつながっている証拠であり、全身の筋肉に力を入れるためには噛む力が不可欠であるということです。
また、歯を強く噛みしめた際にもっとも力がかかるのが奥歯です。そのため奥歯が失われるといざという時にしっかり歯を噛み合わせることができず、全身の筋肉がうまく使えなくなってしまうのです。それは必然的に運動能力にも影響していきます。
顎は平衡感覚ともつながっています。そのため奥歯が失われたままにしておくと顎が変形してしまい、それにより体の平衡感覚も狂ってしまい転倒のリスクがあがるとされています。
■認知症のリスク、出っ歯、言葉の発音
奥歯が失われると、そのほかにもさまざまなことに影響が及びます。ひとつは認知症のリスクがあがることです。噛むことは脳にたくさんの刺激を与えており、脳が活性化したり、また満腹中枢が満たされることなどは有名なことです。そのため奥歯が失われよく噛むことができなくなると脳が刺激されなくなり、認知症のリスクがあがるとされています。
また奥歯が失われたまま食生活を送り続けると、歯を噛み合わせることにより残っている前歯が強くあたるようになります。そうすると前歯に強い負担をかけることになり次第に歯が前へと傾いていき、出っ歯になるとされています。
さらに五十音順のなかで、舌の奥の部分に空気をため発音する「ラ行」が奥歯を失うことで空気が抜けてしまい、発音がしづらくなると言われています。このように奥歯の喪失はさまざまなことに影響するのです。
大臼歯とインプラントの深い関係性
奥歯、いわゆる「大臼歯」がどれほど重要なものであるかが窺い知れたかと思われます。「大臼歯」は歯のなかでも一番奥に位置しているためにケアを怠ってしまう傾向にあり、歯の根の長さが他の歯と比べると非常に短い傾向です。虫歯や歯周病などにかかりやすく、同時に失われやすい歯でもあり、加齢を問わず早期に失われてしまう可能性もあるのです。よってもし奥歯が失われた場合、インプラント治療によりふたたび奥歯の噛み合わせを再現することは非常に有意義なことであると言えます。また、もしインプラントではなく入れ歯(義歯)により奥歯の噛み合わせを作った場合、入れ歯は基本的にプラスチックでできており、金属のバネで支えられています。そのため自然な歯やインプラントと比べるとしっかり強く噛むことが難しくなり、十分な咀嚼ができなくなってしまいます。
以上より自然な歯と同じようにしっかり噛むことができるのはインプラントだけであり、奥歯を失った時はぜひインプラント治療を考えられるといいでしょう。
奥歯のケアをしっかりと!
奥歯は虫歯や歯周病になるリスクが高く、失われればさまざまなことに影響することが理解できたかと思われます。
今からでも奥歯が長く使えるように十分なケアを行い、もし奥歯が失われてしまった場合はインプラント治療を考えてみて下さい。
親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科クリニックまでお越し下さい。
久喜市 歯医者 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき
2018年7月19日