なぜ歯を磨かなければいけないのか?その理由
こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日の久喜はまたまた猛暑です。暑くて嫌になりますね( ;∀;)少し風邪をひいていましたが元気になったと思います(^-^)
さて今回の歯の話ですが、なぜ歯を磨かなければいけないのかという根本についての話です。
歯磨きは治療の一つ
皆さんは歯を磨く目的は何かご存知ですか。皆さんは小さいころから、親御さんや学校の先生に言われ毎日の習慣の一つとして歯磨きをしてきたし、また、されているのだと思います。
歯磨きは、歯科医学的にはもっとも重要な口腔内を健康的に且つ衛生的に清潔に保つ効果的な予防処置であり、また、歯周病(歯槽膿漏)、虫歯(カリエス)に対する最も重要な治療のひとつです。
その理由は歯周病も虫歯も歯周病菌(歯周病原菌),虫歯菌(ミュータンス菌)に感染して起こる疾患だからです。では、その菌とはどれかというと、よくテレビの宣伝などで言われているプラーク(歯垢)がそれらの菌の塊です。このプラークはお口の中の種々の雑菌や歯周病菌、虫歯菌が生きている状態で塊になっているものです。特徴としては、菌体から放出されるデキストランという物質により粘性(べたつき)が有り、歯の表面、特に歯と歯茎の境目(歯頸部)に粘着しています。楊枝で歯の表面をなぞってみると、楊枝の先に白い塊として見ることが出来ます。
これをもう少し分かり易く例えると、お風呂場などの排水溝で掃除をしないでいるとカビが繁殖しヌルヌルした状態でこびりついているのを見たことがあるでしょうか。この状態と同じです。このカビが繁殖し膜状になっていることを細菌学的にはバイオフィルムといいます。そして、この細菌のバイオフィルムは粘着性があることが特徴です。ですから、ブラシなどでこすり落とすか強力な薬剤で化学的に分解して落とすのです。
お風呂場や他の水回りでは強力な化学薬品洗剤を使用できますが、お口の中ではそんな薬品洗剤は使用できません。ですから、歯ブラシで歯の周りについているプラーク(菌の塊)を擦って落とすしかないのです。つまり、歯周病や虫歯の原因菌を除去することが歯磨きの目的なのです。これが、歯の治療で最も重要で効果のある治療です。
歯磨き粉の落とし穴
歯石はお口の中に生息する雑菌、歯周病菌、虫歯菌が死んでしまった死骸の塊です。そして、この歯石の構造は軽石のようになっていて中は気泡が多くあり、その中に毒性の高い細菌が多く生息し毒素を出しています。
皆さんは毎日の歯磨きで歯磨き用ペーストを使っていると思います。しかし、ペーストを使っているからと言ってきれいにプラークが除去できているかというとそうではありません。
もし、歯磨き用ペーストできれいにプラークが落ちるのであれば、これほど、多くの歯周病や虫歯の患者さんはいないのではないかと思います。また、皆さんも歯科医院に受診された時に、歯科医師や歯科衛生士に「磨き残しや、歯石が着いています。もう少し、頑張って磨いてください」とは言われないだろうと思います。
もちろん、ペーストに全く効果が無いかといえばそうではありません。ペーストに含まれる、フッ素をはじめとする種々の薬剤が歯周病菌、虫歯菌の繁殖を防いでいるのは確かだと思います。ペーストでは菌の絶対量を減らす効果はほぼありません。歯の表面に生息する菌の塊であるプラークを除去し菌の絶対量を効果的に減らすことが出来るのは機械的な歯磨きにより擦り取るほうが、ペーストによる抑制効果よりも勝っているのです。
歯磨き粉とも上手に付き合う
ペーストを使用して磨くことがいけないのではありません。ペーストを使用して磨くと磨けていない(プラークが除去出来ていない)のに磨けたと勘違いしてしまうところに落とし穴があるのです。もし、歯科用ペーストを効果的に使うのであれば、先ず、歯ブラシを水にぬらし、それで歯を磨きます。お口の中がさっぱりするまでよく磨きます。
途中で歯の表面を舌で舐めてみてください、ざらつきやヌルヌルした所が無いか確かめながら磨いてください。そうやって磨いていくとお口の中がさっぱりしてきます。
そこまで磨いてみてください。その時、お茶を用意しお口に含んでみてください。ペーストを使って磨いた後にお茶をお口に含むとお茶の渋みを感じるのと同じような渋みを感じます。
その状態がほぼ歯科医や歯科衛生士がいう良く磨けている状態です。でも,100%ではありません。約90%前後です。この残った10%前後のプラークつまり菌の繁殖を抑制するのがペーストに含まれる薬剤なのです。
ですから、よく磨いた後に、ペーストを付けて軽く泡立てて磨き、泡立ったところですぐにお口をゆすがず、5分そのままにしておいてください。当然、唾液がお口に溜まりますのでそれは捨ててください。5分したらすすいで結構です。ただし、すすぐのは軽く2~3回です。何度もすすぐとペーストに含まれる薬剤が流されてしまいます。これは、傷口に薬を塗るのに傷口をきれいにしてから薬を塗るのと同じで、汚い所に薬を付けるよりきれいにして薬を付けたほうが効果があるのと同じということです。
親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科クリニックまでお越し下さい。
久喜市 歯医者 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき
2018年8月24日