歯の根の治療 根管治療について

こんばんは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日の久喜は日中もそこまで暑くなく、過ごしやすい一日です(^O^)
今回は歯の根治療について、どのようなことをしているのかと根の治療をしなくてはいけないケースについて詳しく書いてみます。
神経の治療=根の治療ですが、患者さんは口の端に器具を引っかけられてずーっと口を開けたままになるので
大変ですよね。そして何をやっているのかも非常にわかりにくいかと思います。ですので
少しでもわかるように書いてみたいと思います。

根の治療は歯の根の中を消毒する治療です。
しかし、実は根の治療によって歯の寿命が大きく影響されてしまうのです。
根管治療は歯を長期間残すためにとても重要なので、正しい知識を理解する必要があります。
今回は、根管治療が必要な症状、治療法までを全てをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

1.根管治療(こんかんちりょう)とは

歯の根の管を根管(こんかん)といい、通常、根管の中には神経があります。
虫歯が進行し神経まで達して痛みが強くなると、根管内の神経を取り除く必要があります。
神経を取った後、根管内を消毒し、薬を詰めて細菌が入り込まないようにします。これを根管治療といいます。

2.根管治療が必要な症状

2-1.虫歯が進行し痛みが強い時

虫歯が進行し神経まで達するとしみたり、強い痛みが出ます。
痛みを取るため歯に麻酔をし、神経を取る抜髄(ばつずい)をする必要があります。
抜髄後、根管治療を行い根の中を消毒します。
詳しくは「歯が痛い時にすぐに歯の痛みを減らす秘訣と絶対してはいけない3の事」を参考にしてください。

2-2.神経が死んでいると噛んだ時に痛みが出る

虫歯が進行したり、歯をぶつけると歯の神経が死んでしまうことがあります。
死んだ神経が腐ってしまい、その細菌が根の先まで達すると噛んだ時に痛みがでます。
このような場合、根管治療を行い根の中を消毒して痛みを取る必要があります。

2-3.歯の根の先に膿が溜まった時

神経が死んで時間が経つと根の先に歯根嚢胞(しこんのうほう)という膿の袋ができます。
症状が出ないことが多く、レントゲンを撮った時に見つけられます。
そのまま放置すると大きくなっていき、腫れや痛みが出ることがあります。最悪抜歯になることも!
歯根嚢胞の原因は根の中の細菌のため、根管治療を行い、根の中を消毒します。
詳しくは「歯の根の先に膿が溜まる歯根嚢胞/8つの症状と治療法」を参考にしてください。

2-4.歯茎に白いできものができた時

歯の根の先に膿が溜まると歯茎に白いできものができることがあります。
歯の根の先の膿の出口です。根管治療を行い、根の中を消毒することによって、白いできものは治っていきます。
詳しくは「歯茎にできた白いできものの正体と治療法」を参考にしてください。

2-5.歯茎が腫れて痛みが出た時

根の先に膿が溜まっていると、疲労などで体の抵抗力が下がった時に、歯茎が腫れ、痛みが出ることがあります。
根の先に溜まっていた膿が急性化したためです。腫れを引かせてから根管治療を行い、原因の細菌を消毒する必要があります。
詳しくは「歯茎が腫れた時、自宅でできる応急処置と治療法」を参考にしてください。

3.根管治療の方法

根管治療とは細菌によって汚染された根の中を針金のようなやすり(ファイル)でこすり落として根の中を消毒し
薬で密閉して細菌の住みかをなくす方法です。少しでも細菌に侵された根が残ってしまうとそこからまた細菌が増え、
いつまでも痛みが取れなかったり、再発を繰り返してしまいます。

STEP1根の中に細菌が入らないようにする

根の中に唾液や歯垢が入ってしまうと、細菌が感染し、いつまでも痛みが取れなかったり、再発を繰り返してしまいます。
そのためラバーダムや隔壁というものを使い、唾液の中の細菌が根の中に入らないようにして治療を行います。

STEP2歯の神経を取り残さないようにする

歯の神経の管は歯によっても、人によっても本数が違います。歯の神経治療の時この管を1本でも見逃してしまうと痛みの原因になります。神経の管は前歯と小臼歯で1~2本、大臼歯は1~4本となり、この一本一本を丁寧に消毒する必要があります。

STEP3根の中の形を整える

歯の神経の管はただの丸い形ではなく、楕円形、三角形、樋状、二股状など、とても複雑な形をしています。
この複雑な根の中を小さな入り口から消毒し、根の中に入れる薬が入りやすい形に整える必要があります。

STEP4緊密に薬を入れいる

歯の神経の管を消毒した後にガッタパーチャ(ゴムのような薬)を緊密に詰めます。
歯の神経がなくなった歯は再感染しやすく、管の中に空気が入ってしまうと痛みや再感染の原因となるため
ガッタパーチャというゴムのような薬を緊密に詰めて、細菌の住みかとなる場所をなくしてしまいます。

STEP5レントゲンで確認する

歯の根の中に薬を入れた後、根の先までしっかり薬が入っているかレントゲンで確認します。
途中までしか入っていなかったり、空気が入ってしまった場合は痛みが出たり、再感染を起こすことがあるので再度入れ直します。

上記に根の治療をする理由と全体の流れについてまとめました。不明な点があれば遠慮なく
お尋ねくださいね(^O^)次回は神経の治療がうまくいかなかったケースのその後の治療法を説明致します。

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