歯周病の初期治療について
こんにちは!
いしはた歯科院長の石幡一樹です。
今日はあまり外に出ていないので天気が不明です。患者さんの話では小雨が降っていたようです。
歯周初期治療について
歯周病予防はもちろん大切ですが、実際に歯周病にかかっている場合には治療が必要になってきます。
歯周病の検査にはポケット測定(歯と歯茎の組織の離開度)を調べますが、
通常4mm以上のポケットを持つ方は歯周病と診断させていただいています。
またその測定時に出血が見られる場合は、その病気が今も進行中と判断しています
(喫煙される方の場合には、出血傾向が認められない場合も多いです)。
このような場合には歯周病の治療を治療のプロトコル(治療手順)にしたがって進めていきます。
まずは汚れている歯の周囲をきれいにしていく処置(歯周初期治療が大切になります)を行います。
歯周治療の目標はご自身でのメンテナンスが可能な環境にする事です。
スケーリング
歯周ポケット内にバイオフィルムや歯石などの細菌性沈着物が付着していると歯肉は炎症を起こし腫れ、
赤みを帯び、歯ブラシやデンタルフロスで出血します(この時点なら予防処置で回復ができます)。
また更に細菌感染が進むと歯周組織と歯槽骨が破戒され、歯石がたまり、歯肉溝滲出液が外に出られなくなります
(これがダム効果をおよぼしてポケット内が汚れるため、歯周病がひどくなります)。
歯石は軽石のように多孔性であるため、放置すれば細菌の繁殖スペースとなります。
バイオフィルムは歯ブラシや衛生士の行うPMTCなどで除去することが可能(予防処置)ですが、
歯石は一度付着すると歯ブラシやデンタルフロスでの除去は不可能です。
つまり予防だけでは足りなくなるため、歯科医院での専門の道具を用いた除去
(いわゆるスケーリング やルートプレーニングといった治療)が必要となります。
もちろん汚れた状態から回復させるために歯科医院で初めはプロの歯ブラシを行い、徹底的に歯垢を除去していきます。
しかし歯周ポケット内に付着するバイオフィルムを含むや大きな歯石は、超音波スケーラー等で除去します。
超音波スケーラーの先端チップは数種類あり、行う部位などによりそれぞれ角度や太さなどが異なります。
また毎秒2,500~3,000回の振動をして、やや発熱するため、水や洗浄液を出しながら使用します。
超音波スケーラー等で歯の表面のプラークや歯石が除去されると、歯周ポケット内に対する歯ブラシやデンタルフロスでの
プラークコントロールが可能になります。 この状態では歯周ポケット内に歯石が残っているため、
深部まで歯ブラシの毛先を入れることは不可能ですが、歯周ポケットに対するブラッシングが治療以前に比べ可能となっていきます。
そして炎症が少しずつ消退したら、腫れがなくなりまた歯石が見えてきます。
これらを少しずつ取り去ることと歯ブラシとの相乗効果である程度の落ち着きをみせます。
この段階で、歯周病に対する専門的な口腔ケア方法(ブラッシングのみならず、
フロスや歯間ブラシの使用法についても指導いたします)について指導させていただき、ご自宅にて実践して頂きます。
スケーリングルートプレーニング(SRP)
スケーリングを行った後に行う評価で、4mm以上の歯周ポケットがあるかたは、
ポケット底までの治療を行う必要があるため、麻酔を行った上で歯周治療を行います。
歯の形態は様々で、しかもそれは根の方向にいくにしたがって複雑になります。
ここでは衛生士が手で細かく行う作業を行います。
個々に適切な器具を用いて治療を進めるため1本の歯に対して数種類の器具を用います。
特に臼歯部の治療には3~6種類の器具を使用することもあります。
上記の器具を用いてスケーリングでは、とれない深いところにある、歯石やバイオフィルムを除去し、
複雑な形態をした粗造な歯根面をぴかぴかに磨きます。
かみ合わせも歯周病を悪化させる要素としてはかなりのウェイトを占めていますので、
動揺している場合には仮の固定を行ったり、先に当たっている歯を削って調節するなどもこの時期に行っていきます。
更にご自宅で適切な口腔ケアを実践して頂き、新たに口腔ケア方法のご指導などを行います。
歯周ポケットを健全な状態へ近づけるために歯ブラシやデンタルフロスでのプラークコントロールを続けて頂きます。
歯周病の初期治療では上記のようなことを行います。ご質問があれば遠慮なく尋ねて下さい!
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科までお越し下さい。
久喜 歯医者 いしはた歯科 電話 0480-24-6480 Dr かずき