生まれつきの永久歯の欠如について

こんにちは!いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。今日の久喜は昨日より風が冷たい冬晴れの一日です。今回はお子さんや小中学生に多い歯の先天的な欠如についてご説明致します。永久歯は上下顎で合計28本ありますが(親不知は除く)、生えて来るべき永久歯が生えて来ないことを「先天性欠如」と言います。本来乳歯の下では将来永久歯になるための芽のようなもの(歯胚)が育っていますが、何らかの理由で歯胚がない場合は永久歯が萌出せず、先天性欠如歯となります。先天性欠損歯、無歯症とも言います。先天性欠如の原因は明らかにはっていません。遺伝や妊娠中の栄養欠如、全身疾患、薬物の副作用などが考えられていますが、因果関係ははっきりしていません。従って予防することは出来ません。ではどのくらいの人が先天性欠如になっているのか?ということについてです。日本小児歯科学界が2011年3月に発表した調査結果によると、小児歯科を受診するお子様のうち10人に1人に、1本~数本の永久歯の先天性欠如が認められたそうです。この調査では第三大臼歯(親不知)は対象となっていませんので、最も多いと考えられる親不知の先天性欠如を含めると、永久歯の先天性欠如30~40%にのぼると言われています。(調査期間:2007年~2008年、調査対象:12都道府県の7歳以上のこども15,544人、調査方法:X線画像の分析/永久歯の歯胚がないものを先天性欠如とした)次にどの歯が先天性欠如になりやすいのか?ということについてです。欠如が多い歯の位置と欠如率日本小児歯科学界の調査によれば、上顎(約.4.37%)より下顎(約7.58%)と発生頻度が高く、部位的には左右共に第二小臼歯(5番)と側切歯(2番)に多く認められました。(第三歳臼歯/親不知は調査対象になっていません)大人になっても乳歯のまま?歯肉(歯茎)の中で永久歯が十分に育って萌出を始めると、その上にある乳歯の根が吸収されて短くなり、やがて抜け落ちます。これが歯の生え変わりのメカニズムですが、永久歯が育っていないと乳歯の根は吸収されませんので、大人になっても永久歯が生えるべき場所に乳歯が残ったままになります。永久歯が欠如している場合は、乳歯を出来るだけ長く残すようにします。個人差がありますが、20代~30代まで乳歯が残っているケースもあります。しかし乳歯は永久歯と比べて根が浅く、また虫歯になりやすいなど歯質自体も永久歯より弱いため、永久歯の代わりに一生ずっと残すことは非常に難しいと考えてください。当院でも20代や30代で歯がぐらついて全然噛めないとおっしゃった患者さんの口の中を見るとそれが乳歯であることが何度かありました。この場合噛めるようになるためには抜歯する他ありません。そしてその後インプラントやブリッジで治療するのが適切だと言えます。生まれつきの永久歯がないことでお困りの方がいらっしゃいましたら是非いしはた歯科クリニックまでお越しください。久喜の歯科・歯医者いしはた歯科クリニック院長 石幡一樹

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